2024.04.13
注文住宅をZEH水準にするメリット・デメリット|宇治市周辺の気候もチェック
家を建てようと考えている方は「ZEH」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。ZEHとは簡単にいうと省エネな住宅のこと。今回の記事では、注文住宅をZEH水準で建てるメリット・デメリットをはじめ、ZEH住宅取得時に活用できる補助金制度を解説していきます。宇治市周辺の気候の特徴などもまとめましたので、宇治市・城陽市・京田辺市でマイホーム計画を立てている方は、最後までチェックして暮らしやすい家を実現させましょう。
▼ 目次 |
ZEHとは?特徴を解説
ZEH(ゼッチ)とは、「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称で、1年間のエネルギー消費量を実質ゼロ以下にする家のことです。具体的には、高断熱・高気密といった住宅性能のアップや高性能な省エネ機器で、エネルギーの削減を目指します。同時に太陽光発電システムなどの導入でエネルギーを創り出し、1年間のエネルギー収支の均衡をはかるのです。
ZEHの要素
住宅をZEH水準にするには「断熱・省エネ・創エネ」の3つの要素が必要です。
・断熱性能の向上
ZEHの重要な要素のひとつなのが「断熱」。家の壁や窓などの外皮を通した熱移動を抑える断熱性能を向上させることで、冷暖房効率が良くなり、省エネにつながります。
断熱性能が向上すると快適な環境を実現しつつ、大幅なエネルギー削減が見込めます。
・省エネ設備の導入
ZEH住宅では、高効率の冷暖房設備やLED照明を導入し、日常生活で消費するエネルギーの削減を目指します。
また「HEMS(ヘムス)」を併用すると、さらなる節電効果が期待できるでしょう。HEMSとは「Home Energy Management System(ホームエネルギーマネジメントシステム)」の略称で、太陽光発電システムによる発電量やエアコンなどの使用量を見える化したシステムのこと。エネルギー消費量を可視化することで積極的に使用量削減がはかれます。
・再生可能エネルギー設備による創エネ
注文住宅をZEH水準にするには、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー設備を導入し、エネルギーを創り出す必要があります。さらに、蓄電池を導入すれば災害時や夜間などにも貯めたエネルギーを活用できるでしょう。
ZEHの認定に必要な条件とは?
ZEHと一言でいっても種類はさまざま。ここでは「ZEH」「ZEH+」「Nearly ZEH」をとり上げ、認定に必要な基準を表にまとめました。
分類・通称 | 主な要件 | ||||
外皮基準
UA値(W/㎡・K) |
一次エネルギー消費量
削減率 |
||||
地域区分 | 省エネ のみ |
再エネなど含む | |||
1・2 | 3 | 4〜7 | |||
ZEH | 0.40以下 | 0.50以下 | 0.60以下 | 20%以上 | 100%以上 |
ZEH+
(ゼッチ プラス) |
0.40以下 | 0.50以下 | 0.60以下 | 25%以上 | 100%以上 |
Nearly ZEH
(ニアリー ゼッチ) |
0.40以下 | 0.50以下 | 0.60以下 | 20%以上 | 75%以上 100%未満 |
表中に出てくるUA値とは「外皮平均熱貫流率」のことで、室内外への熱の出入りのしやすさを数値化したものです。UA値がゼロに近いほど熱移動が少なく、断熱性能が高いことを表します。
日本は地域によって気候が異なるため、全国を8つのグループに分け、その区分ごとにUA値の基準値を定めています。
参考元:資源エネルギー庁「令和元年 ZEHロードマップフォローアップ委員会とりまとめ」【戸建住宅における ZEH の定義一覧表】
参考元:国土交通省|【参考】住宅における外皮性能
ZEHのメリット・デメリットをチェック
ここからはZEH住宅を建てる際のメリット・デメリットをチェックしていきましょう。
メリット
ZEH住宅には「快適・安全・低コスト」などメリットがさまざまです。詳しく解説していきます。
・快適な生活が送れる
ZEH住宅は、夏は涼しく冬は暖かい快適な生活環境を実現できます。部屋ごとの温度差が少ないため、寒暖差が原因で引き起こされるヒートショックの予防にもつながります。
・光熱費が安くなる
ZEH住宅の大きな魅力は、省エネな点です。ZEH住宅は高断熱・高気密のため、冷暖房の効きがよくスピーディーに快適な温度の空間に導きます。さらに、性能に優れた冷暖房機器を導入することでも消費電力を削減できます。また、太陽光発電システムなどの導入により電力を創り出すことでより一層、光熱費の節約が実現します。
・万が一の停電や災害時に役立つ
災害や停電時にも力を発揮するのがZEH住宅の特徴です。ZEH住宅には太陽光発電システムなどが設置されているので、停電時や災害時の電力供給が可能になります。冷暖房機器や給湯器も高効率のものを導入しているため、節電しながら利用できる点もメリットです。
デメリット
次にデメリットを確認してみましょう。
・間取りやデザインに制限がある
太陽光発電システムが効率良く発電できるように、屋根の形状や角度に配慮しなければなりません。
・設備導入コストや維持費がかかる
ZEH住宅は、省エネ機器や太陽光発電システムなどの設備投資に費用がかかります。また、太陽光発電システムをはじめとする機器にはメンテナンスが必要です。参考までに、太陽光発電システムの定期点検には1回あたり10万円以上かかると念頭に入れておきましょう。
・建築場所の天候に発電量が左右される
太陽光発電システムで発電するには太陽光が必要です。くもりや雨などの天候が悪いシーズンには発電量が減少するため、年間を通して安定した創エネは期待できません。また、内陸部は比較的長い日照時間ですが、日本海側エリアは日照時間が短い地域が多いため、太陽光発電システムによる発電量に差が出てきます。
ZEH住宅建築時に活用できる補助金を紹介
ZEH住宅の取得には、一般住宅よりもコストが比較的割高になります。しかし、ZEHをはじめとする省エネ住宅の普及を目的に国が補助事業を実施しており、活用可能です。今回は「ZEH支援事業」をとり上げて紹介していきます。
区分 | ZEH | ZEH+ |
主な対象者 | ・新築住宅を建築または購入する方 | |
対象となる住宅 | ・ZEH ・Nearly ZEH ・ZEH Oriented(ゼッチ オリエンテッド) |
・ZEH+ ・Nearly ZEH+ |
主な交付要件 | ・ZEHの定義を満たしていること ・SIIに登録済のZEHビルダー/プランナーが建築、設計などに関与する住宅 |
・ZEHの定義を満たしていること ・省エネ基準からさらに一次エネルギー消費量を25%以上削減 ・SIIに登録済のZEHビルダー/プランナーが建築、設計などを行う住宅 など |
補助額 | 55万円/戸 ※既定の設備導入で加算 |
100万円/戸 ※既定の設備導入で加算 |
参考元:環境省「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)化支援事業」
参考元:SII 一般社団法人 環境共創イニシアチブ「2023年の経済産業省と環境省のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金について」
>>京都府宇治市ではこんなに補助金が受けられる!街の特徴や支援制度を徹底解説
ZEH補助金を受給するまでの流れ
ZEH支援事業の補助金申請は個人でも可能ですが、手順が複雑なため国が認証している「ZEHビルダー/プランナー」に依頼するのが無難です。公募期間内に手続きを行い、審査に通れば補助金をもらえます。
【補助金を受給するまでの流れ】
1. ZEH認定ビルダー/プランナーに相談
2. 住宅のプランを決定
3. 補助金を申請
4. 審査・交付通知が届く
5. 着工
6. 完成後に事業完了・補助金の実績報告書の提出
7. 補助金を受け取る
2024年4月から省エネ性能表示制度が開始に!
住宅や建築物から排出されるCO2の削減を目指し、2024年4月から「省エネ性能表示制度」が開始。住宅・建築物を販売、賃貸する事業者に「省エネ性能ラベル」表示を努力義務することが求められる制度となっています。
これはCO2の3分の1が住宅・建築物から排出されていることが関係しているからです。消費者がラベルを参考に、省エネ性能で建物を比較検討できることが目的に本制度が開始されました。
ラベルにはZEH水準の記載項目も盛り込まれ、エネルギー消費性能が星3つ、断熱性能が5の評価以上で水準クリアのチェックマークが付きます。
参考元:国土交通省「建築物省エネ法に基づく省エネ性能表示制度事業者向け概要資料」
宇治市・城陽市・京田辺市の気候をチェック
宇治市は「中央日本気候区」に属しており、2021年の記録によると一年を通した平均気温が15.1℃と温暖なのが特徴です。年間の降水量は1,836.5㎜で比較的多い傾向にあります。
城陽市は「内陸性気候」と「瀬戸内海性気候」の影響で比較的温暖ですが、年間の寒暖の差が顕著です。年間平均降水量はおよそ1,300㎜。春から夏の日照時間は京都府のなかでも長めなため、太陽光発電に適しています。
「瀬戸内式気候」に属する京田辺市は、1991年から2020年の平均気温が15.3℃と過ごしやすい気候です。降水量は1,429.8㎜で、日照時間の平年値は年間1,961.8時間となっています。
参考元:宇治市「土地・気象」
参考元:城陽市「環境と課題」
参考元:気象庁「過去の気象データ(京田辺)」
>>宇治市のハザードマップから見る災害リスクや地盤の強さは?詳しくはこちら
宇治市・城陽市・京田辺市の地域区分とZEH基準
先述した通り、全国の各地域に合わせて「地域区分」が定められています。8段階のなかで、宇治市・城陽市・京田辺市は地域区分6に属します。6地域における「ZEH基準」をはじめ、国が定める「省エネ基準」や一般社団法人「20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」が推進する「HEAT20」のUA値(W/㎡・K)を表にまとめたのでチェックしてみてください。
省エネ基準 | 0.87 |
ZEH基準 | 0.6 |
HEAT20 G1 | 0.56 |
グランライフが建築したR+house京都宇治モデルハウスでは、HEAT20 G1基準もクリアするUA値0.52W/㎡・Kを実現しています。
参考元:国土交通省「地域区分新旧表」(令和2年7月時点)
参考元:国土交通省「【参考】住宅における外皮性能」
参考元:一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会「HEAT20 外皮性能グレード」
>>注文住宅に必要な断熱性能は?UA値や断熱等級と宇治市の基準値について解説
宇治市・城陽市・京田辺市でZEH住宅を建てるならグランライフへ
暮らしやすさと省エネ性を兼ね備えた、ZEH住宅。設備を導入する費用が一般住宅よりもかさみますが、建築後のランニングコストを考えれば結果的にお得になるでしょう。
グランライフが提供しているのは、国の定めるUA値基準を大きく下回る住宅です。部材の購入に問屋や商社を通さないメーカー直発注システムを採用しており、大幅なコストダウンを実現。高性能でも手に届きやすい価格設定で、マイホームの取得をサポートします。気候にめぐまれた宇治市、城陽市、京田辺市で注文住宅をZEH水準でお考えの方は、グランライフ株式会社にお任せください。
工学部建築学科卒業・大学院修了後、建築設計事務所勤務。建築設計事務所では、建築意匠設計、木造構造設計に携わる。その後大手経営コンサルティング会社を経て、現在は設計経験を活かしつつ、商品磨き、新メニューやツールの開発、研修などを通して工務店支援を行っています。
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