2024.02.12
京都府宇治市で注文住宅を建てるときに必要な耐震性能とは?免震・制震との違いや耐震等級を解説
長い間安心して暮らすには、住まいの地震対策が欠かせません。この記事では、耐震と免震・制震との違いや耐震等級、耐震性能の高い住まいのメリットなど、耐震性能を知るための基礎知識をまとめて解説しています。満足できるマイホームを建てるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
▼ 目次 |
耐震・免震・制震とは
日本は地震の発生率が高い国なので、家を建てるときは地震に対する備えが欠かせません。耐震・免震・制震とは、地震対策のために建物に施された構造を指し、それぞれ特徴があります。
耐震 | 建物自体の強度を高めて地震に耐える構造 |
免震 | 基礎と建物の間に免震装置を設置し建物に伝わる揺れを抑える構造 導入コストが高く設置できる土地に制限がある |
制震 | 建物の内部に制震部材を設置して地震の揺れを吸収する構造 間取りに制限が出るケースがある |
日本の住宅で主流となっているのは、耐震です。耐震構造は、建物自体の強さで地震の揺れに耐える構造です。壁や柱など住宅を支えている部材の強度を強めるだけでなく、壁内に筋交いなどを設置して地震の揺れに備えます。次項からは、耐震に焦点をあててより詳しく解説していきます。
耐震のメリット
ここは、耐震構造のメリットをご紹介します。
地震対策にかかる費用を抑えられる
マイホームを検討するときは建築費用が気になるところですが、耐震は免震や制震と比較するとコストを抑えられるところがメリットです。他の構造に比べて地震対策にかかる工期も短く、スムーズに施工を進められます。
土地や間取りの自由度が高い
耐震は地震対策をするうえで制限が生まれることがなく、自由度が高いです。免震の場合は地盤と建物の間に装置を設置するので、地下室や半地下室が作れません。また、軟弱地盤や敷地が狭い場合は、対応できない可能性があります。
制震は制震装置を設置する位置が重要なので、間取りに制限が出ることが考えられます。一方で、耐震は間取りや土地に制限がなく、地下室などを検討することも可能です。
台風・強風などの揺れにも強い
耐震は水平方向の揺れに強い構造なので、地震の揺れだけでなく強風や台風の揺れにも強いです。強風や台風などの悪天候が続き家の揺れが収まらないと、体調不良になるケースがあります。耐震なら台風などによる家の揺れも軽減でき、快適に過ごしやすくなります。
耐震のデメリット
耐震のデメリットとしては、下記の点が考えられます。
・繰り返しの地震に弱く建物が破損する可能性がある
・地震の揺れが建物に伝わる
・地震の揺れが建物に伝わったときに家具の転倒やケガなどの二次被害が起こる可能性がある
耐震は地震の揺れを吸収する構造ではないので、揺れやエネルギーがそのまま伝わります。繰り返し地震が起きると筋交いが折れたり住宅が損傷したりする可能性があります。
耐震等級とは
耐震等級とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」で決められている耐震性能の評価基準です。地震が起きたときの構造躯体への損傷、倒壊のしにくさを1~3の等級で示しています。
耐震等級が高いほうが地震の揺れに対する強度が高く、性能の高い住まいだと言えます。耐震等級2以上の場合は安全性の高い住まいだと判断されて、地震保険料の割引や住宅ローンの金利引き下げなどが受けられるなどのメリットもあります。
参考元:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会『新築住宅の住宅性能表示制度 かんたんガイド』
>>宇治市で注文住宅を建てるときに知っておきたい耐震等級とは?耐震等級の決め方や等級が高いメリット
耐震性能が低い家のリスク
耐震性能が低いと地震に対する備えが十分でないため、建物が倒壊または損傷するリスクがあります。住宅は家族の命や資産を守る役割があるため、倒壊や損傷が発生してしまうと命に関わる可能性があります。
実際に阪神・淡路大震災では、地震で亡くなった方の死因の約7割が倒壊した建物による窒息死・圧死でした。多くの方が自宅で命を落としており、命を守る耐震性能の必要性が伺えます。
また、住宅の耐震性能が低いと、地震が起きたときに修復や補修が必要となる可能性があり、日常生活を取り戻すまでに時間がかかります。
日本の建築基準法では耐震等級1を最低限満たすべき耐震性能の基準として設けていますが、グランライフでは耐震等級3を取得できる、基準値以上の耐震性能を持つ住まいづくりをしています。
参考元:一般社団法人神戸県医師会『阪神淡路大震災による人身被害の実態』
地震に強い家の特徴
地震に強い家の特徴として、下記の点が挙げられます。
・正方形や長方形などのシンプルな形状をしている
・上からの荷重が少ない平屋建て
・地盤が強く液状化などの心配がない
・耐震等級が高い(耐震等級の認定を受けている)
・地震に強い工法や部材を採用している
・耐震性能を許容応力度計算を行い検討している
地震に強い家は構造や部材はもちろんのこと、耐震等級や耐震性能を許容応力度計算などにより客観的に診断することが求められます。
構造設計について
住宅に必要な耐震性能は、構造計算などを行い確認することが大切です。ここでは、耐震性能をチェックする構造設計方法についてご紹介します。
許容応力度計算
許容応力度計算とは、建築基準法で定められている構造計算の方法です。地震や台風などの外的な力を受けたときに住宅にかかる力を算出し、安全性の高い住宅を実現するにはどれくらいの強度が必要なのか検証、確認をします。
住宅性能評価基準による構造設計
住宅性能評価基準による構造設計は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」により定められた住宅性能を評価するための基準です。10分野34項目から成り立ち、その中に「構造の安定に関する」項目が含まれています。
壁量計算
壁量計算は、水平力に対して必要な耐力壁の量を満たしているか確認するための計算方法です。耐壁量が不足していたり上下階でのバランスが取れていなかったりすると、住宅をしっかりと支えることができず、十分な耐震性能を確保できないおそれがあります。
そこで、地震時や暴風時に必要な壁量を算出し、必要な量を必要な場所に配置できているか検討します。
宇治市の災害リスクや過去の災害情報
宇治市は、京都と奈良の中間に位置する地域です。過去には台風や集中豪雨などの災害に遭っているので、ハザードマップを確認しながら災害リスクの少ないエリアを選ぶことが大切です。
また、宇治市には京都盆地の東縁を横切る断層があり、地震が発生すると震度6以上の揺れと液状化が起こるリスクがあります。長い間安心して暮らすためにも、耐震性能が高く地震に強い住まいを検討することが大切です。
>>京都府宇治市のハザードマップから災害リスクや地盤の強さを確認しよう!注文住宅を建てる際の土地選びのポイントとは?
京都府宇治市・城陽市・京田辺市で高性能なマイホームを建てるなら
グランライフは、デザイン性と機能性を高水準で両立する理想の住まいを実現します。「高断熱・高気密・高耐震」のすべてを高水準で満たし、快適に暮らせる室内環境を維持します。
高い耐震性能の証である耐震等級3を取得し、長期優良住宅を標準装備しているところも大きな強みです。グランライフでは家づくりに役立つイベントを実施していますので、ぜひお気軽にご参加ください。
>>京都府宇治市での安心安全な暮らしを叶える、グランライフの高耐震な家づくり
工学部建築学科卒業・大学院修了後、建築設計事務所勤務。建築設計事務所では、建築意匠設計、木造構造設計に携わる。その後大手経営コンサルティング会社を経て、現在は設計経験を活かしつつ、商品磨き、新メニューやツールの開発、研修などを通して工務店支援を行っています。
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