2020.06.24
R+house京都宇治:健康住宅~国の政策が住宅の寿命を短くした~
皆様こんにちは!
いつもブログをご覧いただきありがとうございます♪
連日雨が続き休日もお家でゆっくりされてる方も多いのではないでしょうか。
是非、空き時間にご一読いただければ幸いです(*^^*)
さて、前回のブログではZEHについてのお話をさせて頂きました。
今回は日本の住宅の寿命についてのお話です。
皆さんは、日本の住宅の寿命が恐ろしいほど短いことをご存知ですか?
先進国の中ではかなり低レベルだそうです。
入社前の無知な私は、日本のモノづくり技術は
世界でもトップレベルのイメージだったのでこの事実にはかなり驚きました。
今回のお話はこれから家づくりをする方には是非知っておいてほしい内容です!
-滅失された(壊された)住宅の建築後平均年数-
国土交通省が発表している「平成27年度 住宅経済関連データ」の中に、
滅失された(壊された)住宅の建築後平均年数の比較が載っています。
イギリスは80.6年。アメリカは66.6年。
これに対して日本の住宅は、たった32.1年に過ぎません。
平成20年度の『国土交通白書』にも、同じ比較が載っています。
それと比べてみると、イギリスは77年の寿命だったのが10.6年延び、
アメリカは同じように11.6年延びています。
それに対して日本は、やはり延びているとはいえ、わずか2年あまりにすぎません。
-住宅ローンの支払いに追われ続ける日本人-
まさしくその通りです。
家の寿命が32年というなら、一世代しか保たないばかりか、
住宅ローンの標準的な返済期間である35年にも届かない短さです。
つまり、ローン支払いが終わらないうちに建て替えのタイミングがやってくる。
そして子どもの世代が家を建て直し、新しい家のローンを一から払い始める。
こんなおかしな話があるでしょうか。
これでは多くの日本人が住宅ローンに追われて一生を終えることになるのも、当たり前の話です。
-国の政策が住宅の寿命を短くした-
日本の住宅には、なぜ30年の寿命しかないのでしょうか。
材料が木だからといわれれば、それは違います。
奈良や京都に残る築千年を越える木造建築には、
何世代にもわたる使用に耐えてきたものもあります。
もちろん、建築技術のせいでもありません。
ビルや高層マンションの建設で、世界トップクラスの技術を誇る日本です。
住宅の建設技術だけがアメリカやイギリスに劣るはずありません。
寿命が短い大きな理由は、高度経済成長との関係にあります。
昭和40年代、都会に人が集まり、通勤圏が郊外へ拡大するにともなって、
たくさんの住宅が必要になりました。
団地と呼ばれるベッドタウンが大都市近郊のあちこちに造成され、
集合住宅や分譲地が整備されました。
個々の家の質よりも、大量供給が優先されたのです。
金融機関の住宅ローンが整備されたのもこの時期でした。
都会に出てきた人たちの持ち家志向は、一気に高まりました。
将来も上がり続けるであろう給料に期待し、
ローンを組んで住宅購入に踏み切る人が続出したのです。
新しい家が建てば、家電や家具も売れます。
当然、住宅産業全体は潤いますし、
住宅市場の動きが経済全体の指標になっていることで明らかなように、
住宅需要の喚起はいっそうの経済拡大につながります。
そのため家の寿命は短いほうが、
当時の国の政策としても都合がよかったのです。
-日本で中古物件を選ぶ人が少ない理由-
日本の住宅の寿命が短いもう一つの理由は、
中古物件の売買数が少ないことです。
アメリカは、新築着工が100万3000戸に対して、
中古物件の売買は494万戸で、全体の83%を占めています。
イギリスはもっと顕著で、
新築着工が12万7000戸に対して、
中古は93万2000戸。実に88%が中古物件です。
アメリカとイギリスでは圧倒的に中古物件の取引が多いのに比べ、
日本では、新築着工が98万戸に対して、中古は16万9000戸。
14.7%の割合でしかありません。
つまり日本の住宅マーケットでは、
常に新築物件が求められていることがわかります。
アメリカには、中古物件の価格が下がり過ぎないように
新築住宅の供給制限がある、という理由があります。
それとともに日本では、特に戸建てについて、
過去の図面もメンテナンス履歴もないような、
どんな人が建てて住んでいたのかわからない家には
住みたくないという気持ちが強いようです。
建物自体も、長持ちするように建てられていません。
住宅の寿命が30年と短い背景には、住む人が替わると、
そのまま住める家でも壊して建て直すことを繰り返してきた事情もあるわけです。
しかしもはや、高度経済成長期ではありません。
これから家を建てるなら、限りある資金を有効に使うためにも、
住み心地に優れ、健康的な暮らしができ、
なるべく長持ちする家を建てたほうがいいことは明らかです。
その上で、価値ある資産として持ち続けること、
財産としていずれ我が子に譲り渡すこと、
あるいは高値で売却すること、なども念頭に置いておくべきでしょう。
※出典 『トクする家づくり損する家づくり』柿内和徳 川瀬太志[著]ダイヤモンド社
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