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2024.03.04

注文住宅に必要な断熱性能は?UA値や断熱等級と宇治市の基準値について解説

落ち着いたダウンライトのリビングと階段

住宅の住み心地をよくするうえで大切な「断熱性」。断熱性能を高めればさまざまなメリットがあります。今回は断熱性能をチェックするうえで知っておきたい指標や目指したい基準について解説します。また、高断熱の住宅を建てるデメリットも併せてご紹介。宇治市の気候に合った断熱基準についても触れていますので、注文住宅をご検討中の方はぜひ参考にしてください。

▼ 目次

 

住宅の断熱性能とは

高気密高断熱住宅とすきまが空いている住宅の違い

住宅の断熱とは、建物の内外間で熱が移動しないよう遮断することです。断熱性能が低い家では、冬にエアコンで建物内を暖めても、熱が外へ逃げてしまいます。反対に断熱性能が高い家は熱が逃げにくく、住宅内の暖かさ(夏は涼しさ)をキープできます。

 

断熱性能を示す「断熱等性能等級」

「断熱等性能等級」は住宅の断熱性能を表す指標です。これは国土交通省が制定する「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって設けられたもので、7段階に分けられています。
過去には4段階でしたが、2022年4月から新たに等級5、同年10月には等級6、7が新設されました。数字が大きいほど断熱性は高くなるため、等級7が最上位の断熱性能です。

断熱等級の基準となる「UA値」

断熱等級には、満たすべきηAC(イータ・エー・シー)値とUA(ユー・エー)値が定められています。
このうちUA値とは、住宅全体の熱が建物の表面を介してどれくらい逃げていくのか、その逃げやすさを示す数値のこと。数値が小さいほど断熱性が高くなります。
また、断熱等級に対するUA値の基準は、全国一律ではありません。日本は地域により、気候の特徴が大きく異なるため、全国を8つの「地域区分」に分け、それぞれにUA値が設定されています。

参考元:国土交通省「住宅における外皮性能」
参考元:国土交通省「地域区分新旧表」

 

等級ごとの内容

省エネのエコハウス(エネルギーゼロハウス)の性能評価

等級によってどの程度の断熱性能があるのか見ていきましょう。概要に出てくる用語については、次項以降で詳しく解説していきます。

等級

概要

7 HEAT20 G3レベル 断熱等級4→7で約40%の省エネ
6 HEAT20 G2レベル 断熱等級4→6で約30%の省エネ
5 ZEH基準レベル 断熱等級4→5で約20%の省エネ
4 省エネ基準 2025年以降は最低基準に
3 1992年制定の新省エネ基準レベル
2 1980年制定の省エネ基準
1 断熱へ特別な対策等がされていない

省エネ基準

省エネ基準とは、建築物省エネ法に定められた、住宅を建てるときに必ず満たさなければならない基準です。一般的には2016年制定の「平成28年基準」を指すことが多く、メーカーや工務店などは基準に沿って設計や施工をする必要があります。
省エネ基準は1979年に初めて制定されましたが、その後時代に合わせて改定を重ね、名称も「新省エネ基準」「次世代省エネ基準」と変更されてきました。

ZEH基準

ZEH(ゼッチ)はCO2排出量削減対策のために国が推進しているものです。「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称で、住宅が消費するエネルギーと生み出すエネルギーを、差し引きゼロにすることを目指しています。ZEHには4つの指標がありますが、その1つが先述したUA値で、省エネ基準よりも厳しい数値が設定されています。

HEAT20

HEAT20(ヒート20)は「一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」という2009年に発足した組織の略称です。またHEAT20は、この研究会が定めた断熱基準の名称でもあります。より快適に暮らすための基準としてZEHよりもさらに厳しい条件を定めており、G1からG3まで3段階のグレードがあります。このうちG2が断熱等級6で満たすべき基準レベル、G3が断熱等級7で満たすべき基準レベルです(地域区分によって一部異なる)。

参考元:一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会

 

2025年以降は断熱等級4以上が義務化

住宅性能評価

2022年6月、温室効果ガス排出量削減などを目的とした省エネ対策のために、「改正建築物省エネ法」が交付されました。それにより2025年以降は新築住宅を建設するとき、断熱等級4を満たすことが義務化されます。
さらに2030年には等級5が義務化されることが予測されているため、今後新築される住宅にはより高い断熱性能が求められるでしょう。

 

断熱性が高いことによるメリット

メリットとチョークで書かれた黒板

住宅の断熱性を高めると、以下のような利点があります。

光熱費の削減

資源エネルギー庁がまとめた調査によると、家電別で見る電力消費の割合は、夏季・冬季ともに30%以上をエアコンが占めています。もし住宅の断熱性により冷暖房効率がよくなれば、光熱費を抑える大きなポイントになるはずです。

参考元:平成30年度電力需給対策広報調査事業

ヒートショックのリスクを軽減

ヒートショックとは急激な温度変化により血圧が急上昇し、心筋梗塞や脳卒中などが起きる可能性が高まることです。寒い冬にトイレや浴室に移動したとき、ヒートショックのリスクが起こりやすくなります。断熱性が高い家では部屋ごとの温度差が小さいため、ヒートショックにつながるリスクを軽減できます。

長期優良住宅として認定される

長期優良住宅とは「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」です。2022年10月より、断熱等級5以上であることが長期優良住宅の認定基準の1つになっています。長期優良住宅として認定されれば、減税や地震保険料の割引などのメリットを享受できます。

参考元:長期優良住宅のページ – 国土交通省
参考元:一般社団法人住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の長期優良住宅認定制度の概要について

>>宇治市で注文住宅を建てるときに知っておきたい耐震等級とは?耐震等級の決め方や高い等級のメリット

補助金や住宅ローン減税で優遇される

断熱等級が高くなると補助金を受けられる場合があります。
たとえば「子育てエコホーム支援事業」は、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、断熱性能等の要件を満たす住宅を建設すれば、80万円の補助金が受けられるものです。
またZEH水準を満たす住宅を新築すれば、1戸あたり55万円、ZEH+の住宅であれば100万円の補助金が受け取れることも。
住宅ローン控除では、省エネ性能によって控除期間などで優遇されます。
ほかにも自治体によっては独自の助成制度を設けている場合があります。なお、補助金などの情報は年度によって更新されていくため、必ず最新情報をチェックするようにしてください。

参考元:子育てエコホーム支援事業【公式】
参考元:戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業
参考元:住宅:住宅ローン減税 – 国土交通省

>>宇治市で受けられる補助金制度について詳しくはこちら
>>宇治市で利用できる住宅ローン一覧!無理なく返済するためのポイントは?

 

住宅の断熱性を高めるデメリット

デメリットとチョークで書かれた黒板

断熱性を高めるためには、優れた設計・施工の技術が必要です。また性能の高い素材を使うため、材料コストもかかりがち。そのため断熱性能が低い家に比べ、建築費用が高くなる傾向です。
また窓の大きさや厚みが制限される場合があり、デザインによっては希望通りにするのが難しいことも。デザインと断熱性能をどう両立させるか、しっかり施工会社と打ち合わせをするようにしましょう。

宇治市で高断熱の注文住宅を建てるには

京都府宇治市は京都盆地の南東にあり、市の中央部に宇治川が流れています。中央日本気候区に属しており、表日本気候と瀬戸内気候の境界にあたります。宇治市によると、2020年度の平均気温は15.2度で、平均降水量は1,365.5㎜と比較的多いのが特徴です。
気象庁によると2021年の日照時間は年間1,882時間で、京都府内の中で15市中7番目に長くなっています。
そんな宇治市で高い断熱性能の家を建てるには、どのくらいの対策が必要なのでしょうか。
地域区分は6に設定されており、各断熱性能を満たすUA値は以下の通りです。

地域区分 UA値
6 0.87

参考元:宇治市「第2章 宇治市の現況 2.1 宇治市の概況」
参考元:国土交通省「地域区分新旧表」
参考元:国土交通省「住宅における外皮性能」
参考元:宇治市「第1章 宇治市の歴史的風致形成の背景」

 

宇治市・城陽市・京田辺市で高断熱の家を建てるならグランライフにお任せください!

植栽とカーポートのある庭の広い家

断熱性能の重要性をお伝えしましたが、今後断熱等級の最低水準が引き上げられることなどから、宇治市で注文住宅を建てる際にも、高断熱の住宅を建設する必要があります。
グランライフでは、オリジナルの建築素材や高性能の窓サッシを使用するなど省エネ性を重視した家づくりを追求。合わせてコストを抑えることにも力を入れています。京都市や宇治市・城陽市・京田辺市で注文住宅をお考えの方はぜひお気軽にご相談ください。

>>宇治市の気候に適した、夏涼しく冬暖かいグランライフの高断熱住宅

 

記事監修者:一級建築士 高地 可奈子

工学部建築学科卒業・大学院修了後、建築設計事務所勤務。建築設計事務所では、建築意匠設計、木造構造設計に携わる。その後大手経営コンサルティング会社を経て、現在は設計経験を活かしつつ、商品磨き、新メニューやツールの開発、研修などを通して工務店支援を行っています。


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